2022年3月27日日曜日

小学校の特別支援学級を希望する場合の手続きの要点とアドバイス(ダウン症児ゆーの小学校就学手続き)

 こんにちは。MARKです。
前回の「小学校の特別支援学級を希望するダウン症児ゆーの就学手続きに関する体験談」から、これから小学校の特別支援学級を希望して就学手続きを始める方向けに、手続きの要点や留意事項をまとめてみました。
(地方都市で特別支援学校、公立小学校の特別支援学級、普通学級の3つから就学先を選ぶに当たっての体験談に基づく情報提供を意図していています。地域差で違う点もあるかと思いますが、参考になれば幸いです。)


足の短い机をゲットしたらやる気モードのゆー!

1.就学先を検討するための情報収集と検討
まずは、本人にとって一番いいと思える就学先を保護者が考えることが一番大事です。
そのためには、小学校へ入学する際にどのような選択肢があるのかを知ることが重要です。

ワタシは、虹の会というダウン症児の保護者会に参加していたので、先輩の保護者のお話を聞ける就学相談会(虹の会主催)に参加して、特別支援学校、小学校の特別支援学級、普通学級にそれぞれ就学した保護者からお話を聞きました。
乳幼児の時に参加して、ダウン症の次女ゆーにとってどういった形で小学校に就学すればいいのか、自分達はどのように育てたいのかを夫婦で常日頃から考えたり話し合ったりしてきました。

そのため、いざ就学手続きをする年度に入って夫婦で話し合った際は、双方一致して地元の小学校の支援学級に入れようと意見が一致していました。
ただ、小学校側に受け入れてもらえるのか、小学校との面談で心無い言葉を浴びせかけられるのではないか、入学までにゆーがトイレを自立できるようになるだろうかといった不安は強かったです。
そういった心理状態だったので、女優の奥山佳恵さんのブログにはとても励まされました。(https://ameblo.jp/okuyama-yoshie/entry-12337977167.html

2.就学希望先の見学
小学校の特別支援学級を希望すると夫婦間で意見が一致していても、本当にその判断が正しいかどうかは、実際に現場を見学して学校の先生にも本人を実際に見てもらった上で意見を聞き、本人、保護者、学校のそれぞれの視点から問題点ないかを確認する必要があります。
ワタシ達の場合は、ゆーが補聴器を付けている関係で、学校側に先生の声が補聴器にダイレクトに伝えることができる機器を貸与してもらえるかどうかといった点も重要でしたし、ゆーが学校生活を送るにふさわしい場所かを見極める必要もありました。
そこで5月くらいに小学校に連絡して特別支援学級を見学させてもらった結果、特別支援学級は8人が定員の少人数クラスで、ゆーが交友関係を築くにあたってもほどよい人数であり、知的の特別支援学級が既に2つあることから、受け入れ先のキャパとしても充分あることや、ゆーが利用している児童デイサービスに通っている児童も在籍していることなどがわかり、保護者側としては特別支援学級に行くことに問題はないと判断することができました。
ちなみに、見学した際に在籍していた特別支援学級の児童は、ダウン症児のゆ―と比べて体も大きく、会話が普通にでき、きちんと机に座って勉強しており、識字能力がほぼなく言葉もその時点では2語文すら厳しいゆーとはかなりレベル差があるとは感じました。
正直、上述の奥山さんのブログを見ていなかったら無理ではないかと思ってしまったと思いますが、普通学級にいっているダウン症児もいると思えば、なんとかなるレベルだと思えました。

3.教育委員会の就学相談会
7~8月に教育委員会主催の就学相談会があるので参加してきました。
もし、小学校の就学に関する選択肢に関する情報がなく、どうしたいか意思決定していない状態であれば、本人の状態をみてもらって相談にのってもらえるので有益だったかもしれません。
ただ、私達はこの時点で保護者としての意思は決定していましたし、小学校側に意思も伝えて問題ないという先生からの回答も得ていたので、補聴器の支援機器を貸与してもらうにはどのような手続きをとればいいのか詳細を知りたかったのと、就学手続きの具体的な流れがわからなかったので有益な情報を得られるのではないかという思いで参加しましたが、両方とも有益と言えるような情報は得られませんでした。

机とランドセルに大興奮で、がり勉モードになるゆー(笑)

4.就学支援委員会への申請
これが、今回の投稿による情報提供のミソだと思っています。
後から判明したことですが、この就学支援委員会への申請は、「特別支援学校」へ行くための審査をするための手続きなので、本来は小学校の特別支援学級を希望する場合は申請をする必要がありません。(教育委員会へ審査結果がきてから確認して判明したこと)
しかし、一度は特別支援学級で問題ないですよと回答した担当の先生が、校長先生から担当の先生で決めていいことではないので委員会に諮ったほうがいいのではとの指示を受けて、この就学支援委員会への申請をしてくださいと依頼してきたのです。
当時は、就学を希望している小学校と関係を悪くしたくなかったのと、就学支援委員会への申請がどういう意味を持つかわからなかったので、言われるがままに申請手続きを行いました。

そして、ダウン症児で療育手帳を持っているゆーは、もちろん特別支援学校へ行けるのに十分な理由を持っているので「特別支援学校」が相当という審査結果がくるわけです。
たとえ、保護者がどういった理由で特別支援学級を希望しているかを伝え、知能検査で特別支援学級相当の結果が出ており、トイレが自立できる見込みであることや、幼稚園や児童デイサービスで社会性も身につけていることを伝えてあっても、その手続き自体が「特別支援学校」へ行くための審査をするための手続きなのであれば、申請をした時点で「特別支援学校」を希望していると捉えられ、「特別支援学校」が相当という審査結果がくるのは当然です。

特別支援学級に行くための手続きをしていたはずなのに、小学校側から「特別支援学校」に行くための手続きを勧められ、「特別支援学校」が相当という審査結果がきてもどのような手続きをすれば特別支援学級に行けるかまともな説明ももらえないという大変な目にあいました。
知的障害のある児童を小学校に入れたくないという学校側からの陰謀かとすら疑ってしまいます。

ここでのアドバイスは、この就学支援委員会への申請をする前に、教育委員会に対して、特別支援学級を希望している場合に、この手続きをしなければならないのかということを確認することです。
もし、必要がないのであれば、教育委員会に小学校から就学支援委員会への申請をするよう誤った指示や圧力を受けていると相談してみるのもいいかもしれません。


5.小学校・幼稚園・保護者の3者面談
この部分は幼稚園に在籍の方向けです。
ご存じかもしれませんが、保育園とは違い幼稚園は文部科学省の管轄で小学校と同じ教育機関になります。
そのため、就学相談に関しても幼稚園を通して連絡してほしい、就学先は幼稚園に伝えてほしいと教育委員会や小学校からは言ってくることがあります。
ただ、就学先を決定する権限は教育委員会で、保護者が特別支援学級を希望しており、小学校が受け入れ可能だと判断すれば教育委員会はその判断にしたがって決定するため、幼稚園は連絡や情報の取次だけです。
しかし、そもそもこの就学先決定の権限がどこにあり、どのようなステップを踏めばいいかは保護者はもちろん小学校側もよくわかっていないようで、保護者が振り回されてイライラするところです。

保護者がきちんと情報収集や現地の見学、本人を交えた学校の先生との意見交換をした上で、本人のために納得のいく就学先の意思決定ができているのであれば、この項目にある「小学校・幼稚園・保護者の3者面談」において、小学校が幼稚園と保護者から本人の現況や社会性、学校生活で留意すべき点等を聴き取り、その障害程度や本人の能力に合わせてどのような支援や受け入れ態勢を整えればいいか検討してもらい、保護者が果たすべき役割や協力すべき点があれば教えてくれればいいのだと思います。

6.まとめ
本来は小学校への就学手続きというのは本人や保護者が就学先を決めるのを支援するもののはずが、現状はそうなっていないため、保護者は子どものために自分達で意思決定をして、教育委員会や学校側の不見識に負けずに手続きを進めなければいけません。

特別支援学校、特別支援学級、普通学級のそれぞれにメリット・デメリットがあり、本人の能力や性格、自宅から学校までの距離や通いやすさ、同居の有無や親の就労状況など、各家庭においてどこへ就学すればいいかは意見が分かれるところであり、一概に正解があるものでもないと思います。

この投稿で伝えたいのは、保護者が小学校等の関係者の意見も聞き、本人の能力や状況も良く考えて決断したことは尊重されるべきだということです。
そして、保護者がこうした逆境があることを事前に把握してきちんと考え、学校側の思惑や情報に流されて意思決定がゆがめられないよう願っています。

加えて、保護者だけでなく学校側にもこの思いが届いて、今後、ダウン症児等の保護者のような少数派が、私達のように無駄に不快な思いで苦しまないよう制度の趣旨に沿った就学手続きになるよう願うとともに、そうなるよう情報発信していければと思っています。

ではでは。


小学校入学が楽しみだね♪

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1 件のコメント:

  1. 最近ブログを再開された事を知りました。我が子もダウン症で赤ちゃんの頃、入院していた時にゆーちゃんのYouTubeを知り励まされていました。ゆーちゃんやゆーちゃんのご家族の愛情が沢山伝わり、ダウンちゃんって可愛いな、我が子もゆーちゃんみたいに成長するのが楽しみだなと動画で癒され勇気をもらいました。娘は年中の年ですが、発達もだいぶゆっくりで想像してた未来とは違いましたがそれでも可愛さは変わりませんし、ゆーちゃんの成長が知れて嬉しくなり久々の投稿に勝手に感動してしまいました。これからも応援しています。また可愛いゆーちゃんの姿を見れるのを楽しみにしています。

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