2018年2月21日水曜日

「あきらめない心」日本初義手の看護師 伊藤真波(いとうまなみ)さんの講演について

こんにちは。MARKです。
とてもショッキングで心に残る講演を聞きにいってきたので投稿します。

今回は、ダウン症関係の講演ではなく、20歳のときに事故で右腕を失くした女性が、人生の絶望の瞬間から、いかに世間から向けられる目と向き合い乗り越えてきたか、片腕というハンデを背負いながら子育てする苦労などについてのものでした。

正直、身体障害者の方のお話を聞く機会はこれまでなかったので、その苦労されていることやダウン症児の親と同じく世間の目と向き合わなければならなかったことなどを知ることで、体が不自由な方への理解が深まったのと同時に大変励まされました。

この講演は、人権啓発フェスティバルの一環で、最初はなぜ障害を持つ人の講演を人権啓発フェスティバルでやるんだろうと少し違和感を感じていました。

しかし、サブタイトルが「考えよう 相手の気持ち 未来へつなげよう 違いを認め合う心」というものなのですが、相手の気持ちを考えて違いを認め合う心を持つためには、まずは相手を知ることがとても重要なのだと改めて思い知らされました。

ワタシとしては、”子供がダウン症で生まれてきて落ち込む親”にこの講演をぜひお勧めしたいです。(ただし、若干ハードな内容もあるので下記講演の紹介を参照ください。)
ワタシはこの講演の内容を一生忘れないと思います。それくらい心に残る講演でした。
※参考(講師派遣依頼サイト・講師紹介ページのリンク)
http://media21-c.co.jp/publics/index/168/
https://kouenplus.com/profile/ito_manami/


少しでも興味を持ってもらえればと思い、簡単に講師や内容を紹介したいと思います。

講師の伊藤さんは明るくてとてもユーモアのある人でした。
講演の冒頭で、「皆さんを寝かさないし来たことを絶対に後悔させません」と宣言するだけあって、惹きこまれるお話でした。

講演は、まず初めに伊藤さんがどういう方か動画で紹介してもらいました。
【動画の内容】
・20歳の時にバイク自己で右腕を切断したこと
・日本初の義手の看護師になったこと
・リハビリで始めた競泳でキラリンピック(北京・ロンドン)に出場したこと
・結婚、出産して1児の母となり、子育てに奮闘していること
・片腕の子育てがいかに大変で、どうやって世話をしているか

次に、伊藤さんから自らの体験や想いを聞きました。
・自らの荒れた学生時代と立ち直るきっかけ
・バイク事故の経緯、片腕を切断する決断
・片腕になったことで世間からの視線に苦しんだ体験
・親を悲しませないために立ち直ろうと奮起したこと など

伊藤さんは、母親の放任主義のもと中学生に入るころは成績が最下位の落ちこぼれだったのですが、担任教師に「お前は看護師になる夢があるんだろ。すごいじゃないか。」と声をかけ続けられ、先生みたいに素敵な大人になりたいと奮起して中学3年生の時には英語で学年1番になるなど、不器用で頑固な一面がある一方、集中して何かをやり遂げられる努力の天才という印象でした。

そして、父親のバイクに乗る姿にあこがれて、母親の反対を押し切ってバイクに乗り、事故にあってしまいます。
この時、母親は事故にあった伊藤さんを責めなかったそうですが、腕を切断する決断を促す際には、「先生には自分で腕を切ってくださいと言いなさい。それが自分で責任をとるということだよ。」と伝えたそうです。

正直、この腕を切断する時の話は涙なしには聞けませんでした。
一つは、大型車に引きずられてボロボロになった右腕を切断しないようにするための拷問のような治療(作業)の凄惨さが想像を絶するものであること。
もう一つは、その治療で泣き叫ぶ我が子の声を隣室で聞く親の心境を思うと・・・。

この部分を見ると講演に行く気を失せる方もいるかと思いますが、この部分も伊藤さんを知る大事な場面だと思います。

腕を切断後の伊藤さんに、両親は家で何もしなくていいから一緒に過ごそうと伝えたそうです。
そして、落ち込み世間の目に耐えられなかった伊藤さんは、しばらく引きこもり生活を続けます。

しかし、親孝行すらしていない自分が、親を今後も悲しませ続けるなんてできないと一念発起します。

この時、通っていた看護学校の先生が、もし君が這ってでも義手の看護師を目指すというなら復学を認めると伝えたことも、負けず嫌いな伊藤さんの心に火をつけたのかもしれません。

そして、神戸の病院で看護師のための義手を作ってもらうと、同級生の助けも得て無事看護学校を卒業し、義手を作ってもらった病院に恩返しするため神戸の病院に就職します。

そこで働きつつ、なんとパラリンピックに出るために勤務時間短縮をお願いして実現させちゃいます。

ちなみに、リハビリに競泳を選んだのは水泳が得意だったわけではなく、むしろ子供の時に嫌だったことで、かつ自分の弱いところである腕の切断面をあえてさらけ出すことで、逃げないという意思表示を自分にするためだったそうです。

この講演で伊藤さんからいくつか大事なことを学びました。
・できないことをできないとを相手に伝えて助けを求めることの大切さ
・自分が変われば周りの目も変わるということ
・幸せになれるかどうかは自分次第だということ

ダウン症の子供を持つということは、とてもショッキングで受け入れがたいことでもあるけれど、まずは事実を受け入れること、そして自分だけが不幸であると錯覚しないこと。

悲しんだり落ち込んだりを我慢する必要はなく、悲しむだけ悲しみ、落ち込むだけ落ち込んでから立ち直ればいいと思います。

事故で障害をもつこと、ダウン症の子供をもつこと。
人生いろいろあります。

でも、苦労していない人、試練に直面していない人は幸せなのでしょうか?
苦労した人・試練に直面した人は、幸せとは何かに気づきやすく、苦労や試練が大変であればあるほど見返りとして大きな幸せを得られる可能性が高いのではないかと思います。

ではでは。

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