2022年3月2日水曜日

小学校の特別支援学級を希望するダウン症児ゆーの就学手続き(体験談)

 こんにちは。MARKです。

今回は、次女ゆーの2022年度に小学校へ入学する際の就学手続きの体験についてです。


ダウン症協会の乳幼児部が主催した小学校入学に関する就学手続きの説明会で、大きく分けて3つの選択肢があると説明を受けました。

その選択肢は、①特別支援学校、②特別支援学級、③通常学級です。


①の特別支援学校は、手厚い支援が受けれられるものの、住んでいる地域と離れた場所にバス通学しなければならない。

②小学校の特別支援学級は、最大8人の少人数クラスで普通学級と比較して障害等に配慮した指導をしてくれるものの、特別支援学校のように専門の教員免許を持っている先生が必ずしもいるわけではなく、特別支援学校と比較して教育や支援の専門性は低い。

③小学校の通常学級は、ダウン症児にとってはハリウッドみたいな高みですが、女優の奥山佳恵さんがブログ(https://ameblo.jp/okuyama-yoshie/entry-12337977167.html)で美良生くんの通常学級への入学を発信してくれたりして、ハードルは高いが選択肢として認知されてきている。


さて、まずは保護者としてどの進路を選ぶか夫婦でよく話し合いました。

そして、ゆーを地域の人達と関わらせながら育てていきたいという思いが強く、地元の小学校が自宅のまさに目の前にあるという好条件もあり、支援学級を希望することにしました。

通常学級については、奥山佳恵さんのブログで励まされてきたこともあり検討しましたが、現時点では社会の理解も低く摩擦が大きい上、通常学級のような大人数よりも支援学級のような少人数(最大8人)のほうが、ゆーにとって孤立せずに人間関係を築く上でも良いのではないかと考えました。


こうした漠然とした進路に対する考えは持っていたのですが、小学校の就学手続きをする際に、それをどのように学校側に伝えて実現させればいいのかわかりませんでした。

最初のきっかけは、補聴器の業者と耳鼻科(ゆーは補聴器をつけている)から、小学校に入学するのであれば、補聴器に先生の声を直接送る機器を学校側で用意してくれる可能性があり、それが利用可能であれば補聴器を更新する際にそのための受信機付きの補聴器にする必要があるので、学校側にそうした対応が可能か確認してほしいと連絡がありました。


そこで、5月頃に小学校の特別支援学級の見学と補聴器に関する相談をするために、小学校に連絡して見学に行きました。

そして、そこで特別支援学級を見学させてもらい、ダウン症児は一人も在校生にはおらず、特別支援学級ですらゆーにとってはレベルが高いという現実を知ることになりました。

簡単に言うと、日常会話が普通にできないレベルの児童はおらず、知的障害のクラスと聞いてもどこが知的障害なのか一見してわからない感じでした。

ただ、担当の先生と本人も交えた面談を行い、その時点でのできること・できないこと、配慮が必要なこと、幼稚園や家庭での様子等を伝えたところ、特別支援学級で受け入れは問題なく、学校、幼稚園、保護者が特別支援学級でいいと判断しているのであれば、教育委員会の就学支援委員会に諮る必要もないと説明されました。


ただ、補聴器のサポート機器に関してはこちらの要望は伝えたものの明確な回答はもらえず、就学手続きそのものについてもよくわからない点があったので、7月頃~8月頃に行われた教育委員会による就学相談会に参加してきました。

そこでも、本人を連れて行き、本人の状況や保護者の進路の希望を伝え、補聴器の機器に関する学校側の制度等について質問をしてきました。


その後、8月に小学校側から「就学支援委員会に諮らなくてもいい」と伝えたが、やはり就学支援委員会への申請をしてほしいと連絡がありました。

どうも担当の先生は問題ないと考えて保護者に伝えたが、校長先生が担当の先生が判断することではなく、就学支援委員会に諮ったほうがいいのではと指示したようです。

こちらとしても、この時点では手続きのことについて良くわかっていなかった上、学校側と争うつもりもなかったので、言われるままに就学支援委員会への申請書類を提出しました。


この際、連絡をもらってから慌てて主治医に心理検査(IQ等)の予約を入れたのですが、こういったものは数か月先になるのに、なんとか運よくキャンセルが出た空きの予約をとることができました。

学校側の説明では、就学支援委員会に提出するための診断書であればすぐに予約がとれると言われていたので慌てていなかったのですが、言語療法(ST)でお世話になっている言語療法士の方の話では、確かに就学支援委員会の要請で検査を受けることはできるかもしれないけど、ダウン症児や本人の状況について理解のある先生が検査してくれるとは限らず、本人の状況をよくわかっている先生に診断書を書いてもらうためには、5~6月に予約して7~8月には検査済みになっていることが理想のようです。


ちなみに、診断結果を聞きに行った際に特別支援学級を希望していることを伝えました。

先生からは、知能検査(田中ビネー知能検査V)では、言語の点数が低いので全体のスコアは低いけど40以上というスコアが出ていて、この40以下が特別支援学校相当でそれ以上が支援学級相当だからご希望の就学先の選択で問題ないと思いますよと説明いただき、少しほっとしました。


ただ、10月には翌年度に小学校へ入学する児童全員が受ける就学時の健康診断を受けました。

この際、5月に学校見学に行った際に学校、幼稚園、保護者が合意していれば支援学級に入れると説明したことは間違いでしたと謝罪があり、まさに手のひらを返されたような感じがして学校側に不信感を持ちました。


そして、ここからが今思い出しても不快と怒りを感じるところです。

12月中旬に、ゆーが通園している幼稚園から、「教育委員会から就学支援委員会の審査結果について連絡がきて、『措置判断は特別支援学校』ということでした。どうされますか?」という連絡がきました。

どうもこうも、これまで特別支援学級を希望していることは幼稚園にも学校にも伝え続けてきましたし、知能検査も問題なく、小学校にも見学に行って特段受け入れができない問題もしてきされておらず、どうしてそのような結果が来るのか理解できず困惑しました。


とにかく引き続き特別支援学級を希望しますと幼稚園に回答したものの、こちらの希望しない結果を幼稚園を経由して口頭で伝えられた上、その後にどのような手続きをとればいいか何も案内がなく、通知された結果を変更してもらえるのかどうかすらわからない状況でした。

ワタシはともかく、妻が大変不安に感じていたので、通知が届いた翌週には教育委員会に連絡してどのような手続きをとればいいのか聞きに行きました。


教育委員会の話では、就学支援委員会の措置判断は強制ではなく、保護者が特別支援学級を希望するのであれば、後は小学校と話し合ってもらい問題がなければ、特別支援学級への就学は問題ないとのことでした。


そこで、小学校の特別支援学級の担当教員と面談し、就学委員会からの措置判断は特別支援学校だが、次のような理由で小学校の特別支援学級を希望していて、措置判断に強制力はないし、よく考えた上で保護者が本人にとって最適と判断した希望の就学先を拒否する権限はないはずだと伝えました。

【支援学級の希望理由等】

①地域で育てたいという思いがあるので、支援学校ではなく小学校での支援学級を希望している。

②児童デイサービスで、支援学級のお兄ちゃん・お姉ちゃんとすでにうまく付き合っているので問題はないと考えている。

③幼稚園のリレーでも、クラスの子たちが相手の組に優奈のために寄り添って走ってくれる子をお願いしてくれたり、集団での一員になっており、それが本人のためにもなると考えている。

④トイレ(排泄)の自立は、意識してトレーニングしており、多少の声かけは必要なところもあるが、家庭、幼稚園、自動サービスの場でもここ半年間で数えるほどしか失敗はない。

⑤幼稚園では一人担任で、10人以上のクラスの一員として問題なくやれている。


小学校側からは、「措置判断は就学支援委員会が小学校、幼稚園、医師の知能検査、本人の状況を直接見た上で総合的に判断した結果です。」と説明がありました。
しかし、どうしてそのような判断をしたのか、どの部分が支援学校相当なのか、どうすれば特別支援学級相当と判断してもらえるのかといったことに関しては全く説明がなく、就学支援委員会が本人のために最適だと総合的に判断した結果ですと説明されても、全く理解できませんでした。

とにかく、こちらの思いや説明に納得したからかはわかりませんが、小学校側は「措置判断」とはこういうものですと説明しただけで、特別支援学級への受け入れを否定するわけではないという対応でした。
そして、本人の状況を幼稚園側にも聞き取りしたいので、小学校・幼稚園・保護者で3者面談させてほしいと申し出がありました。

そこで、次は幼稚園に行って、今度は幼稚園の先生も交えて本人の幼稚園での様子を含めて小学校に入学するとした場合の登下校や階段、排泄、運動時、集団行動時等での危険性や拝領の必要性について情報交換を行いました。
このこと自体はとても重要なことなので、就学支援委員会への申請などせずに最初からこれだけやれば十分ではないかとすら思いました。

腹立たしいのは、この面談の最後に小学校の先生から幼稚園に、「では教育委員会に連絡しておいてください」と伝えたことです。
小学校の先生の認識では、ゆーの所属は幼稚園なので教育委員会に就学先を伝えるのは幼稚園の役目だと思っていたようです。
幼稚園は寝耳に水で、「何か幼稚園で教育委員会に手続きする必要がありましたか?」と困惑気味で、幼稚園から教育委員会に問い合わせたところ、やはり小学校から教育委員会に特別支援学級への受け入れについて連絡するのが筋のようでした。

しかし、この期に及んでも小学校側から特別支援学級への受け入れは可能ですといった説明はなく、通知は1月末に届く予定ですとの説明のみでした。
幼稚園の先生が気を利かせて、学校の先生に「保護者が不安に感じているので特別支援学級への受け入れが可能が連絡してあげて」と強く言ってくれたらしく、電話で特別支援で大丈夫といった連絡が学校側からありました。
恐らく、何もアクションがなければ年末から1ヶ月近く不安を感じながら過ごす羽目になったと思います。

最終的には、2月上旬に小学校の特別支援学級に入学できる旨のハガキが無事届きました。
それにしても、ワタシはどうしてここまで不快な思いをしたり苦労しなければならなかったのでしょう?


事前に情報収集や小学校とのすり合わせを行い、やるべきことはやってきたつもりです。

そして、就学委員会からの措置判断に関する連絡があった後の対応は、夫婦で事前に話し合った上で面談もできるだけ二人で参加し、感情的にならず論理的にこちらの主張を説明して話し合った結果、スムーズに進行したとは思います。

しかし、『措置判断』という一昔前の高圧的な言葉を使われ、どこが窓口でどのような手続きをいつまでにしなければならないのかといった見通しがない状態で、しかも結果が1ヶ月以上先でないと伝えられないといった対応をされると、論理的に保護者の希望する就学先が認められないわけがないとわかっていても、不快で大変な手続きでした。


もし、保護者がこうした手続きや自分の考え・主張を伝えることに不慣れであったり、配偶者等の家族のサポートが得られなかったりすると、もっと不快で大変なやり取りになるでしょうし、最悪、学校側の誘導にのせられて希望通りの就学先へ行けなくなる可能性すらあると感じました。


子どもや子どもの将来のために、保護者が小学校の就学先としてどのような選択がいいか悩むことは、避けてはいけないことです。

しかし、現在の小学校の就学手続きは、そうした保護者の進路選択を助けるどころか、一方的に教育委員会や学校側の判断を押し付けてくる『措置判断」時代のままで、通常学級へ行けない児童の保護者を苦しめているとしか思えません。


どうすれば、ワタシと同じような苦労や不快な思いをせずに、小学校への就学手続きを進めることができるのでしょう。

今回はワタシの体験を中心に投稿しましたが、次回はこれから小学校の就学手続きをする保護者へのアドバイスを中心に投稿したいと考えています。

ではでは。


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