2022年2月3日木曜日

新型コロナウィルスとダウン症児 参考書籍「新版 ウィルスと人間」(著:山内一也)岩波書店

 こんにちは。MARKです。

ダウン症の次女ゆーも、3月で幼稚園を卒園、4月から小学校へ入学です。


しかし、新型コロナウィルスの感染状況次第では、せっかくの節目の卒園式や入学式が、中止や保護者の参加制限がかかるのではと心配です。

3月に中旬までに落ち着いてくれていることを祈るばかりです。


さて、今回は新型コロナウィルスについてで、ダウン症やゆーに直接関係する話題ではありません。

タイトルの『「新版 ウィルスと人間」(著:山内一也)岩波書店』という書籍を読んだ個人的な備忘録です。


12歳以上の児童がワクチン接種の対象になり、将来的に自分の子どもにワクチン接種をするか判断を迫られたときに、正しい情報を知って適切に判断することは重要だと思います。

そういった点で、たまたま図書館で手に取ったこの本はとてもわかりやすく参考になったので、ダウン症のお子さんをお持ちの親向けの情報発信も兼ねて要点をまとめてみます。

ウィルスについて基本的なことを理解するのは、今後頻発するであろうこうした新型の感染症と付き合っていく上で大事だと思うので、本ブログで興味を持たれた方は是非この本も読んでみてください。

専門的な内容も含まれていますが、全体的に分かりやすくて読んでいて面白いと思える良書だと思います。


1.豆知識

(1)新型コロナウィルス感染症の正式名称

WHOが、新型コロナウィルス感染症をCOVID-19(Coronavirus disease of 2019)と命名。

ちなみに、ウィルスは国際ウィルス分類委員会が、「SARSコロナウィルス2型」と命名。

最近になって新しく出現(emerging)した感染症をエマージング感染症といい、それを引き起こすウィルスをエマージングウイルスと呼ぶようです。

※この正式名称は聞きかじったことがありますが、最後の19は19番目ではなく2019年で、COVIがコロナウィルス、Dは疾患という意味だったんですね。


(2)ウィルスに関するウンチク

①ウィルスは本来、宿主の動物にはほとんど病気を起こさないのが普通だが、別の動物種に感染すると重症感染になることがある。

②ウィルスは直接、細胞を破壊するのではなく、本来は房業機構としての免疫反応が細胞破壊を引き起こす例も多く、身体の免疫反応はウィルスに感染した細胞も異物と認識して破壊する。

③これまでヒトにまったく感染したことのなかったウィルスが、遺伝子変異によってヒトに感染するようになった場合、自然免疫として白血球が集まり、炎症性サイトカインが大量に放出されて組織の破壊を引き起こし、致死的結果を招くことがある。

④エボラウィルスは90%にも達する非常に高い致死率の病気を起こすが、ヒトからヒトへの感染は濃厚接触でしか起こらず、1976年にザイールで発生した際は劣悪な病院の環境のもと、注射器の使いまわしなどで多数のヒトに感染が広がった。

⑤2003年のSARSの場合は、飛沫感染でヒトの間に広がり、ヒトの間で容易に感染するウイルスが出現した場合、きわめて短期間に全世界に感染が広がることが認識された。

⑥トリインフルエンザは本来、野生のカモが保有するウイルスで、カモではインフルエンザウィルスはほとんど病気を起こさず変異も起こさないが、ニワトリに感染すると抗体が産生されてウィルスを排除しようとするので、この抗体が選択圧となって遺伝子に変異が起きて病原性が強くなり病気を起こすようになる。

⑦ブタはヒトインフルエンザとトリインフルエンザの両方に感染する可能性があり、ブタの体内で2つのウェルスの間で遺伝子の交換が起きて、新型のインフルエンザウィルスが生まれることがある。(再集合ウィルス体という。)

※だから、ブタに新型インフルエンザウィルス感染があると殺処分で大変な騒ぎになるんですね。

そこでヒトに感染する致死的な新型インフルエンザウィルスが生まれたら大変なことですしね。


2.治療薬とワクチン

この書籍では、ワクチンによる予防がウィルス感染に対するもっとも有効な手段ではあるとあります。治療薬とワクチンの違いから説明します。

(1)治療薬

①細菌感染の場合

細菌感染は、抗生物質により多くは治療可能。

これは、細菌の細胞壁は動物細胞には存在しない独特なものであるため、ヒトの細胞のには悪影響を与えない選択毒性の高い治療薬があり、副作用なく細菌の増殖を阻止できるから。


②ウィルス感染

ウィルスはヒトの細胞に依存して増殖するため、ウィルス増殖を阻止する物質は、同時にヒトの細胞にも悪影響を与えることになり、抗生物質のように選択毒性の高い薬を開発することは難しい。

アビガンのようなインフルエンザの抗ウィルス薬は、ウィルスに固有の増殖機構を理解し、ピンポイントでその増殖機構を阻害するものにしなければならず、インフルエンザの型が違うと効かなかったり、効果が限られていたり、耐性ウィルスの出現も問題となっている。

エイズを引き起こすHIVウィルスにも抗ウィルス剤があり、もはや致死的な病気ではないとみなされるようになってきているが、これらの薬は単に発病を阻止しているだけであって、ウィルスを排除しているわけではない。染色体に組み込まれたウィルスはそのまま残っており、機械があればふたたび増殖を始める。


(2)ワクチン

ワクチンは、ウィルスに感染して得る免疫を人為的に作るもの。

これまで、麻疹(はしか)、天然痘、狂犬病等の多くのウィルス感染がワクチンによって予防されるようになった。

ワクチンによるウィルス感染との戦いは、戦略的に見ると、制圧、排除、根絶の3段階に大きく分けられる。

ワクチン接種で、まずはウィルス感染の発生頻度や激しさを無害なレベルにまで減少させ、海外から国内に持ち込まれないように排除し、最終的にワクチン接種しなくても感染を起こらない状態にする。


3.感想

ニワトリやブタの殺処分がなぜ行われるのか、政府がワクチン接種を税金を使って強く推進するのか、やはり基本的なことを体系的に理解することが重要だと思います。

確かにワクチンの副反応は心配ですが、子どもにワクチンを打つことは、子どもの命はもちろん、社会にとっても必要で重要なことではないでしょうか。

ダウン症児の育児においても、情報収集をするだけでなく情報のウラもしっかり確認することで、自分の決断に自信をもって進めることができるのだと思います。

ゆーの小学校への就学手続きも、しっかり情報を整理していたおかげで、学校や教育委員会からこちらの思いとは違う判断を示されても、冷静に的確に対応することができました。


この就学手続きについても、知っているだけでだいぶ手続きが楽になるし、心理的にも楽になるので、後日、情報発信していきたいと思います。

ではでは。


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